かごしまがん征圧県民大会を開催

かごしまがん征圧県民大会
~難治がんへの挑戦 膵がん早期発見をめざして~

平成29年10月30日(月) 13:00 ~ 16:00
鹿児島県医師会館 4階大ホール
〇講演Ⅰ「わが国のがん対策~がん検診を中心に~」
     垣添 忠生 先生(日本対がん協会 会長)
〇講演Ⅱ「がん医療の最前線」
     中釜 斉 先生(国立がん研究センター 理事長)
〇シンポジウム「膵がん早期発見を目指して」
   シンポジスト
     眞島 喜幸 氏(NPO法人パンキャンジャパン 理事長)
     坪内 博仁 先生(鹿児島市立病院 院長)
     中釜 斉 先生
     垣添 忠生 先生
   座長
     本田 一文 先生(国立がん研究センター研究所 早期診断バイオマーカー開発部門ユニット長)
     小西 宏 氏(日本対がん協会 がん検診研究担当マネジャー)



2017かごしまがん征圧県民大会写真1


 今年度のかごしまがん征圧県民大会は、日本対がん協会との主催(シンポジウムについてはAMED本田班共催)で、がん対策、がん医療についての講演と、「膵がん早期発見を目指して」と題したシンポジウムの二部構成でした。


 第一部の講演で垣添先生は、がんは遺伝子の異常によって発生する細胞の病気であり、初期のうちは無症状であるので、早期のうちに検診で発見することが重要であること。また、がん対策基本法の下、がん医療の格差をなくし、がん経験者を特別視しない社会を実現することが必要であると話されました。
 中釜先生からは、がん治療(手術・集学的治療・放射線治療・薬物療法・免疫チェック療法・ゲノム医療)を中心としたご講演がありました。がんにならないように原因を避ける(一次予防)、早く見つけるために適切な検診を受ける(二次予防)ことが大切とのお話もありました。


 第二部のシンポジウムは、膵がん早期発見を目指した血液バイオマーカー研究代表である本田先生のお話からスタート。本田先生によると、膵がんの死亡数が第4位であるのは、発見時には進行しており根治が見込める手術の対象外であることが多いためで、被検者の負担が少なく、大都市でなくとも実施でき、医療経済性に見合った早期発見方法が開発できれば、死亡率の減少につながる可能性があるということでした。
 次に、膵がんの患者支援団体であるパンキャンジャパンの眞島理事長から、膵がんの啓発が進んでいない現状や治療薬のドラッグラグが存在することなどのお話がありました。手術で根治可能な時期に発見できる方法の開発等、研究促進はパンキャンジャパン活動の柱の一つとのことでした。

 続いて、国立がん研究センター研究所の本田先生と日本対がん協会の小西マネジャーが座長となり、ディスカッションが行われました。
 鹿児島市立病院の坪内先生は、肝臓がんを取り巻く環境がこの20~30年で大きく進展したことを挙げながら、まずは膵臓異常がある方の囲い込みが膵がんの早期発見・治療成績向上につながるので、本田班の血液バイオマーカー研究に期待しているとの発言がありました。
 眞島理事長からも早期発見のツールの存在が生存率の高さにつながるとして、簡便な血液検査の早期実用化に対する希望が上がりました。
 本田先生が代表を務められる膵がん早期発見を目指した研究は、当センターも参加して鹿児島県下で実施中です。これについて垣添先生は、「対がん協会は日本最大の検診機関であり、鹿児島県支部である県民総合保健センターは研究のフィールドがしっかりしている」と研究が本県で実施された理由を挙げられ、さらに本田先生の「米国は研究の検証システムが整っている」との言葉を受け、小西マネジャーからは「対がん協会のフィールドを検証の仕組みに活かしたい」との発言がありました。
 最後は中釜先生が、研究者の努力と患者さん・健診受診者の協力、そして東京の国立がんセンターと地方の皆さんとの連携で、新薬等の開発において欧米に肩を並べられるようにせねばならない。鹿児島の皆さんにも引き続きご協力をお願いしたいと締めくくられました。


 聴講者も先生方によるがん検診・がん医療・膵がんに関する最新の情報に熱心に耳を傾けられ、盛会のうちに大会は終了しました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。


2017かごしまがん征圧県民大会写真2